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魔法使いの森で産まれた見習い魔法使いの少女、朝比奈こん。お母さんとお父さんは物心ついた時には既におらず、おじいちゃんと二人で暮らしていました。 おじいちゃんは、お母さんとお父さんは魔物に連れ去られたんだと言い、それ以上は何も教えてくれません。 そんなこと信じられない、信じたくないと、小さい朝比奈はたくさん考えました。 森から出たことはないけれど、きっと森の外には素晴らしい世界が広がっていて、帰りたくなくなっちゃったんだ!! 顔も知らない両親に会いたくて、つらくなってしまった朝比奈は、さみしい気持ちを魔法で切り離そうとします。

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小さい朝比奈は魔法をうまく完成させられず、切り離せなかったさみしい気持ちは、眠ったあとに現れる人格「夜比奈」として朝比奈の中に残りました。 大きくなった朝比奈は、お母さんとお父さんを探すために旅に出ました。 朝比奈と夜比奈が旅の途中で立ち寄った不思議な場所や出来事を、少しだけお見せします。

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With jellyfish

近くに島も見えない、見渡す限り海しか見えないほど、遠くまで海が続いている場所。 そんな場所の、光が見えるくらいに明るくて浅いところで、ぷかぷかと一匹のくらげがたゆたっています。 下を見れば深く深くまでただ青い水があって、上を見れば膜をひとつはさんでまぶしい太陽が照り付けていました。 くらげは一匹でした。ほかの仲間とはいつ離れたかも覚えていません。 ただ、水面の近くは、ぷかりと浮かび上がる泡がきらきら光るのが美しいので、もっと近くで見ていたくて、ここまで上がってきたのです。 突如、ざぶん、と大きく海が揺れて、今までに海で見たこともない生き物が、水面を突き破って入ってきました。 くらげは興味津々で生き物に近づきました。これはなんだろう?どうやって膜の外へ行ったんだろう? その生き物は、水面の外へ連れて行ってあげるよと言って、目を細めました。 そうしてふたりは、これから出会うかもしれない不思議な景色や生き物の話にこころを弾ませながら、海の外へと旅立つのでした。

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blue moon

優しく波打つ海に、蒼い月が抱かれています。 遠く昔からの言い伝えに、こんな話がありました。 1か月のうち二度目の満月が現れる特別な夜に、その満月が海に映ったところが、月の裏側への扉になるのだと。 月にはやはり、うさぎが住んでいるのでしょうか。それとも、何もないのでしょうか。 水面に映った月は、言い伝え通りにふたりを導きます。 しかしそこには、崩れ落ちそうな廃墟がどこまでも広がっていました。 おそらくここには知らない「誰か」がいたのでしょう。 「誰か」は、幸せに暮らしていたのでしょうか。 今となっては知ることもできず、誰の記憶にも残れないものが、そこに眠っていました。 きっとこれからも、ずっと。

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Reverse

時間はいつも誰とでも、平等に足を進めます。ちくたく、時計の針に身を委ねて、今日もふたりは入れ替わる時間を迎えました。
ひとつのからだに、ふたつのおもい。
夜になることさえ楽しみ。朝を迎えるのが怖い。
ひとを愛していたい。ひとに愛されていたい。
何かを覚えていない。何かを、覚えている。
どちらが表側で、どちらが裏側なのか。 いつになったら辿りつくのか、いつまでここにいられるのか。 いちばん近くに答えはあるのに、今日も分からないままに。

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